カルロス・ゴーンへの警鐘



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倒産の危機までささやかれていた日産を建て直し、史上最高の収益を導いたカルロス・ゴーンの辣腕ぶりは、衆目の一致するところである。しかし、「新生」日産が立て続けに発表してきた新型車のラインアップを見ると、どこか似たような雰囲気の車が並んでいるという印象が拭えない。そんな日産車の歴史を振り返り、クルマ好きの立場から日産復活への提言をまとめているのが本書である。

著者は、「NAVI」や「モーターマガジン」の編集長を務めてきた小川フミオ。「クルマなら日産」という時代を見てきた著者による日産と日産車の歴史、および世に与えたインパクトの解説は、軽妙で的を射ている。また、スカイラインGT-Rやシルビアといった「名車」をうまく進化させることができなかった日産に対する苦言、提言は、歯がゆい思いを抱いてきた走り屋たちの気持ちを代弁しているものだといえよう。

しかし本書は、クルマ好きでないと楽しめない類のものではない。立て続けに日本自動車史に残るようなヒット車を出していながら、そのほとんどがモデルチェンジを経て個性を希薄にしてしまったという日産の失敗は、自動車会社だけではなく、ほかの業界にも通じる警鐘となっている。せっかく開拓した市場をどう育て、牽引していくべきなのか。日産の「失われた10年」から学ぶべきことは多い。

もちろん、自動車に精通した人にとって読みごたえがある内容であることは言うまでもない。日産だけではなく、海外メーカーも含めた各社がどんなラインアップを出してユーザーの嗜好を満足させ、市場に対応しようとしてきたかが俯瞰できる1冊である。(朝倉真弓)



評論家には車を売ることはできない。

本屋で立ち読みしたのですが、あまりにも貧相な内容でこんな本に
つられて買ってはいけないよと思いました。カルロス・ゴーンは、
僕も最初嫌いでした。なぜならコストカッターとだけ思ってたし、
日産の車・ブランドがもともと好きだったので、もう身売りしたなと
思いました。でもカルロス・ゴーンは、日産社員の誇りを取り戻したと

思います。私が日産社員なら最初は抵抗したでしょう。でも具体例と
具体的数字(例えば、スカイラインやブルーバード、フェアレディが
見る影もなくなってしまっている現状)を交えながら、どう変えて行くか
の方向性を示していき、暖かく厳しく語られれば、ついて行こうと思う
でしょう。

改革をし始めると、抵抗する人が出てきます。そういう観点から??かれて
いるだけです。
そんなにイヤならご自分で運営してみたらいいと思います。
でも評論・批評しても人はついて来ません。
経営者にこそ読んでほしい1冊

メーカーは商品があってなんぼ。自動車メーカーであれば肝心のクルマで消費者の心をつかまなければ先行きは暗い。経営面からばかり賞賛されている日産を見ていて常々こんな当たり前のことが言われていないのを不思議に思っていただけに、この本は胸のすく思いがした。さすが著者は長らくクルマ雑誌に携わっていただけに、日産の歴史についても造詣が深く、その言葉は重い。ゴーンがルノーで日産と同じような“経営”をして、結果ファンから見放され瀕死の状態に陥ったことを思えば、今後「日産らしいクルマ」が登場するとも思えない。車業界に限らず、経営者にこそ読んでほしい1冊だ。
小川氏には悪いですが・・・。

要するに有利子負債を一掃して、過去最高の利益を上げただけではまだ不足、もっとクルマ好きがわくわくするようなクルマをつくってくれ!という、いち自動車好きの「日産へのエール」?のようなかんじ、40分で読み終わる分量の最初から最後までこの調子です。

もとNAVI編集長の著者は、ゴーンがインタビューのなかで個々の製品(クルマ)のことを話さないのはナゼ?と何度も強調してますが、そういう質問をされればきちんと答えているし、日産に限らずどの車メーカーの社長も公の場で語るべきはまず会社の経営方針であって、聞かれもしないのに個々のクルマについて滔滔としゃべり出すのはヘンでしょう。

ゴーンは自称クルマ好き、日産社内でも常々「カーガイたれ」と言ってはいるものの、本当はクルマそのものよりも短期的な経営指標にしか関心がないのでは、と言いたいらしいのですが、会社本体が沈没寸前の状態にあるときにカーガイもヘチマもありません。危機を脱した日産は著者がそんなに心配しなくても「カーガイ」を喜ばせるようなクルマをおいおい出してくるでしょう。「経営も改善し」かつ「面白いクルマ」も同時につくれ、というのはちょっと無理な注文です。著者が例示しているS2000もMR−Sも単体でみれば会社収益に貢献なんかしてるワケがない。こういう玄人うけクルマもおっつけ出ますよ。・・・というわけで本書は「ゴーンへの警鐘」というタイトルからはややピンボケな内容でした。

最近の日産への警鐘、という意味では「200X年日産は消滅か」(by佐々木康夫)の切り口が面!白かった。
ゴーン改革を違う視点から検証

扇動的なタイトルと表紙で手にとるのを躊躇するが、著者が元NAVIの編集者と知って購入した。ゴーンの改革については、NRP当初とは様相が一変し、その経営手腕を賞賛する声ばかりが聞こえてくる。一時は2.1兆円あった有利子負債を前期でゼロにし、6兆円を切った売上を7兆円に迫るまでに回復させ、日産を死の淵から生還させた実績を見れば、当然の評価ともいえる。しかし、と著者は考える。日産が生業としているクルマそのものは魅力的になったのか。ゴーン改革を違う視点から見直す手掛かりを与えてくれる本である。
なるほどニッサンは財務諸表ではなくて、作った車で判断されるべきだ

 なるほど、カルロスゴーンはこの数年間、経済記者のインタビューしか受けてこなかった。著者のいうとおり、ニッサンは財務諸表ではなくて、作った車で判断されるべきだということだ。たしかに。賛成。著者はニッサンを今までとは違う視点で見ている。いくら赤字脱却できても、モーターファンの心が離れてしまったのではもともこもない。読み終えると著者のように、ニッサンファンへ変わってしまうから不思議だ。



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