ガイドブックと概説書の橋渡し
古代に焦点を絞った旅行をしたい人が、
旅行の前に眺めて、旅の計画を立てるのに役立つ一冊です。
豊富な写真が素晴らしいです。
9ルートを紹介し、散歩する人の視線で説明していきます。
(うち二つはローマ市外で、オスティアと、ティボリにあるハドリアヌス帝の別荘)
また、古代ローマの250分の1の模型写真、
古代ローマのモニュメント分布図、
現在のローマの市街図、の三つが
相互参照できるようになっているので、
古代の建造物が現在のローマ市のどこにどんな様子で立っていたのかが分かり、楽しめます。
ただ、当然ですが博物館の入館情報等の実際的な情報はありませんし、
歴史的な説明も駆け足です。
だから、「歩き方」のような実際的な情報ガイドブックと、
古代ローマ史の概説書の橋渡し的な本といえます。
なにより、ローマを愛する筆者夫妻とともに古代ローマに浸れる、眺めて楽しい本です。
類書のなかでは最も出来の良い本です。
近年、ローマ市の古代史跡に関するカラフルな図書がいくつも刊行されていますが、本書はその中では最も手際よくまとめられた好著と申せましょう。 タイトルが示すように古代ローマの史跡だけに焦点をしぼり、多数の図版で地域別に分かりやすく解説している点にも好感がもてます。ラテン語のみならず、現代イタリア語表記をも加えてあり、旅行者にとっても親切な本と言えましょう。 とはいえ、ラテン語の母音の長短が全くといってよいくらい無視されている上、たまに音引が入っていても、間違っている(たとえば、「インペラートル」を「インペラトール」とするなど)といった欠点も見逃せません。 よって4つ星に留めおきました。
新潮社
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